Entries from 2018-05-02 to 1 day

小林さんの腕(かいな)

小林さんの腕(かいな) 僕の義母、家内の母は昨年スキルス胃がんで亡くなった。本人や家族、僕も含めて告知を受けてから、わずか8ヶ月後の出来事だった。 僕は24歳の頃、半同棲していたにも関わらず、猛烈に別れたがっていた彼女から母子感染で彼女が保持し…

ヒッチハイクと人生

最近Twitterやブログ界隈では、ヒッチハイクでここまで乗せてもらいましたー、などというつぶやきや記事を頻繁に見かける気がする。 その度に僕は勝手に苦い思いをする。 どのような思いか。。。 僕は、甲子園優勝投手であると勝手に思っており、その甲子園…

木彫りのテープカッター

中学二年生の時の美術のテーマだった。確か1、2ヶ月かけてフラットの木の板から、なにかしら自身でデザインしたテープカッターを造形するという授業の一環だ。 僕はテニスのラケットを選んだ。表面に自身の好きなキャラクターを付けようとしたが、美術の教師…

シロと僕

シロの鼻はピンクだった。シロといっても、薄汚れた白っぽい体毛を持つ性格の良さそうな間抜けな顔した野良犬だった。僕が小学4年生くらいの頃は、社会も保健所もさほどやかましくはなく、シロのような野良犬や野良猫たちは僕の住んでいる社宅のあちこちを徘…

母とスプーン

昭和48年生まれである。父が36歳の時に僕は生まれた。父は日本人で知らない人はいないといっていい大企業で既に部長職についていた。先日話したシロと僕という記事の中で5棟ある社宅に済む権利を持つのは部長職以上のみの家族であった。 といってもボロボロ…